帰りがけのプルースト

平日朝8時半。駅のホームにいる。夏ぶりである。朝から普通の服を着たのも、化粧をしたのも久しぶり。あ、日焼け止め持って来るの忘れた。いいや普段引きこもってるから光を浴びよう。光を浴びなさすぎるのと、標準の栄養失調でそばかすが薄くなってるし。新幹線に乗るのは中学生振り。

新幹線は9時半だけど、心配性だから少し早く家を出る。久しぶりに駅内の本屋に入る。駅の本屋だから品揃えの大幅改定はないが、3年ぶりに来た心地。

初めて新幹線のホームに入る。構内だけは地方都市っぽい風貌をしてる。

格差……電車と比べたらこっちのが遠方から来る人が多いから、ちゃんとしておこうってことなのかもしれない。たぶん。

自由席で取ってるけど座れるかな、平日だから大丈夫か、と一人会話を脳内で巡らし完結。

車両がぬるっとくる。予想的中、窓際に座れた。

隣は大学生くらいの女の人。上品なバッグにでかいキティさんのマスコットがついていて推し活かな?と思ったけどマスコット1つじゃ学校の用事とか、単純に友達と会うとかそういうやつだと思う。わからないね。20年前と今はどっちがわかりにくいんだろう、我が家基準にしたらわかりやすい=病気事情だからな、世間?知らねみたいなことになってる。

予定時刻になり出発、窓の外は知ってる街の知らない景色が流れる。大学のキャンパス、私立高の校庭、車屋と畑、まばたきしたらコンクリートから畑になるからまだ群馬と確信する。

本を持ってきたけど景色をもう少し見ていよう。


あっという間に東京駅に着く。改札も難なく出れた。新幹線の切符を買うなんて初めてだからなんとなくで選んだけど合ってたらしい。良かった。

さらに2分電車に乗り会社へ。地下通路の行き方に迷ったくらいで、後は問題なく行けた。東京の方が壁の案内大量にあるし、何かあったらキオスクの人に聞けばいいやで歩いてた。

直属の上司は会議中、先輩は午後出社なのでメンターの人に「今入口にいます」とチャットを送り助けに来てもらった。なんか色々最先端すぎてすみっコぐらしとポプテピピックとぼっちちゃんを混ぜた情緒になっていた。(俳里さんいらっしゃいませ〜!!と陽キャオーラが出てて萎れかけた)

大都会で働いてると心の余裕というか、人の話を聞く体幹が出来ててすごいなって思った。初めて外の人に自分の言葉を伝えられた日。